3000名以下の私立大学のための学校づくり
「平成26年度文部科学省の概算要求」について(3)

 

前回は、概算要求に計上されている主な競争的資金を整理し、 

 

  「概算要求の内、優先課題推薦枠として出ているものは、
   大幅に削られる可能性があるが、補正が組まれると、
   復活するものもある。」

 

というニュアンスを一概に言い切れない部分も含めて整理しました。
今回は、外部資金を獲得するために今から準備できることについて
あくまで私の経験から考えてみたいと思います。
私の経験の範囲では、外部資金を獲得されている学校には、
共通点があるように感じています。

 

 (1)責任者がやる気
 (2)休日でも会議をする
 (3)補助金公募がある前からやりたいことがある

 

一番お伝えしたいことは(3)なのですが、
まず、「責任者がやる気」についてから順に整理します。
これは学長や事務局長などが、何をテーマに外部資金を
獲得しに行くか積極的に意思表示されているという意味合いです。
最近の補助金は、ある一部の部署、ある一部の先生方だけで
取り組める性質のものではなく、学校全体としての取り組みが
前提となっていることが多くあります。
そのため、責任者の方が積極的に意思表示されることで、
申請内容に対する方向感が学内で共有されており、スピーディーに
合意形成できる学校が採択されているように感じます。
次に「休日でも会議をする」ですが、これは「責任者がやる気」にも
通じます。外部資金を獲得している学校では、時間との戦いの中で、
より良い構想を練り上げるため、申請前には休日返上で作業を進めて
いるのをよく見かけます。

もちろんこれは、準備のいい学校には当てはまりません。
週末返上で打ち合わせをしても、問題なくメンバーが集まる空気感が、
強さの秘密とも感じます。
かなり極端な例ですが、私は日曜日の21時からの提案選考会に、
参加したこともあります。この時は、10名ぐらいの教職員の方が、
参加されていました。
最後に、「補助金公募がある前からやりたいことがある」ですが、
実はこれが一番の重要ポイントだと感じています。
公募が始まってから、公募に合う内容を考えるパターンは、
タイムアップになって、申請期限に間に合わないことが多いようです。
特に学内合意形成の段取りを考えると、間に合わないという判断に
なることが多いようです。スムーズに学内合意を形成されているのは、
大抵の場合、予算の有無にとらわれず、今後どのようなことにチャレンジ
していきたいか、普段から構想を練られているパターンです。
ここに公募の話がマッチして、トントン拍子で話が進むというのが、
一番スムースなパターンのようです。
きちんと計画的に進められている学校では、

 

 ・概算要求の段階から情報収集
 ・課題意識や今後の展開ビジョンを共有
  (FD/SD研究会などを通じて)
 ・計画的に学内合意形成

 

を進められているようです。
来年度公募まではまだまだ時間がありますので是非、概算要求を
眺めた結果も含めて、FD/SD研修会の計画を練ることを
お勧めします。

 

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